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学生時代は専門学校でグラフィックデザインを学び、これまではずっと飲食チェーンで広報、宣伝を担当してきました。さまざまな事情で転職を考えた際に、当社の面接会に参加したのがご縁で入社を決めました。警備業はまったくの未経験だったので、最初は話だけでも聞いてみようと思っていたのですが、総務部で主に人事を担当してほしいという話を聞き、また定年がないということを知って入社を決めました。右も左もわからない業界なので、最初は先輩に教えてもらいながら、見よう見まねで仕事を覚えました。実は業界のことについてはいまでも勉強中で、わからないこともたくさんあります。
現在は人事のスタッフとして、私の入社のきっかけになった面接会などを担当しています。面接会で使用するチラシ広告などは、かつての経験を生かし、「生涯現役」など当社の魅力が伝わりやすいように考えて自分でデザインしています。
やりがいを感じる瞬間
求人は人生を左右する大切なターニングポイントです。しかし、ある程度年齢が高くなると、求職活動は決して易しいものではありません。当社は定年制度を設けておらず、入社年齢の制限もありません。健康上に問題がなく、自分が働きたいと思えるうちは仕事を続けることができます。長く仕事をしていない中高年の方は、実年齢より老けて見えたり、元気がなかったりします。そんな方でも、研修を終えて業務を始められると、とても生き生きした表情になられます。そういう姿を見るのはとても嬉しいし、当社との出会いでその人の人生が少しでも良い方向に動き出したということを実感できるのは、ポスターなどを作るのとはまったく違うやりがいです。僕よりも人生経験の豊富な方も多いので、いろいろな面で勉強にもなります。
今後の目標
現在の業務で最もつらいのは、辞退です。せっかくご縁があって来ていただくことになっても、「家族に反対された」「研修を受けてみて自分には難しいと思った」「実際に勤務してみると体力的に無理だと感じた」などの理由で辞退されることがあります。現場の仕事は3日続けると体が慣れるのですが、高齢の方に「もう少しがんばってみましょう」とは言えませんからね。こうしたことがないよう、例えば、よりご自宅に近い場所で働けるよう就業現場を考慮することがあります。できないことはできないとした上で、その方の可能な範囲で働いてもらうなど、さまざまな手だてを考えます。しかし、それでも辞退となってしまうと悲しいですね。私のできることは限られていますが、今後もできるだけ多くの社員に、「生涯現役」を実現してもらえるように、声をかけて励まし、寄り添っていきたいと考えています。
3年間ほどコンサートやスポーツイベントなどの会場で、警備の仕事を経験した後、2018年から現在の部署に配属されました。警備員との電話連絡や、現場のニーズを確認して警備員の配置決めをするのが主な仕事です。現在、250人くらいの警備員の配置決めを、5〜6名のスタッフで行っています。警備員との連絡は電話が基本ですが、中には現場の地図を取りに来られる方やメールでの連絡を希望される方もいます。また、警備員によっては「明日○時に、○○へ行ってください」と伝えるだけではなく、交通機関の乗り継ぎや交通費、ルートの目印になる建物などを伝える必要もあり、地図やナビソフトは手放せません。連絡がつかない人がいる場合、近くに住む方なら自宅まで地図を持参することもあります。
仕事で苦労すること
管制部の采配が悪いと、警備員の士気にも関わるので責任重大です。警備員にはいろいろな方がおられ、特に最初のころは対応に苦労することもありました。しかし、私はもともと現場の出身なので、現場に行く人の気持ちがわかっています。どういうふうに連絡してもらったら気持ちよく働けるのか、わかっているつもりです。おまけに方向音痴で、電車の乗り継ぎも苦手だったので、そういう人の苦労がわかります。一方で、自分も現場スタッフとして連絡を受けて不快に感じた経験があるので、そうならないように注意していると、3カ月くらいで仕事に慣れることができました。現場の経験がなかったら、もしかするとなかなか慣れることができなかったかもしれませんね。現場の仕事は年度末から年度始めにかけて件数が少なくなるので、いまはどう仕事を振り分けていけば、警備員さんが気持ちよく働けるかを考えています。
第一管財を選んで良かったこと
警備員の仕事をやっていた時は、いろいろな現場を体験して行動力が養えました。方向音痴は治らないとしても、警備員を経験しなかったら、いまでも電車の乗り継ぎなどは苦手なままだったと思います。たまに人手が足りなくて現場に入ることもありますが、やはり警備の仕事は楽しいですね。
現在の職場はスタッフの年齢層がバラバラで、女性は私1人なのですが、雰囲気が良いのが魅力です。毎日16時からの2時間は、隊員さんからの当日の終了報告と翌日の現場配置が重なって、本当に猫の手も借りたい状態ですが、それ以外の時間帯はそれほどバタバタすることはありません。手が空いている時間になるとモノマネをする人もいたりして、ここはお笑いタレントの事務所かとつっこみたくなることもあります。
警備員の教育を担当しています。警備業として営業を行うためには公安委員会の認定証を取得する必要があり、教育担当者を置いて、教育研修を行うことが取得の条件となっています。警備員の新人研修の場合は、20時間以上の研修が義務づけられており、研修を修了しないと警備業務には就けません。当社の場合は4日間のカリキュラムで研修を行っています。また、すでに業務に就いている警備員に対しても、年2回、それぞれ8時間の現任教育があり、これをすべて修了しないと引き続き業務に就くことはできません。さらに研修の記録をすべて残す必要があり、実施簿を作成するのも私の仕事です。実施簿については年に1回、公安委員会の立入検査があり、不備があると営業停止などの罰則を受けることもあるので責任重大です。
仕事の難しさ
研修といっても学校のような先生と生徒という関係ではなく、受講するのは年齢も経験もバラバラの一般の方です。研修を受けることに慣れていない人も多く、教える側にも聞いてもらうための工夫が必要とされます。例えば警備業法について教えると、もともと興味のある方は真剣に聞いてくれます。しかし、法律にさほど興味がない方や苦手意識を持っている方は、話がなかなか耳に入ってこないことも多く、話し方や言葉選びなどには注意が必要です。私たちの業界には警備業協会という団体があり、さまざまな講習に参加しています。講師のなかには教え方の上手な方がおられるので、そういう方の講習を積極的に聞くようにして、どういう話し方をすれば伝わるのか研究しています。
仕事のやりがいを感じる瞬間
私は現場の警備員として30年以上の経験があり、前の勤務先では教育担当者の資格を取って、およそ20年間教育を担当していました。当社に入社したのは定年を迎えたからです。警備の仕事には本当にさまざまな方が応募してこられ、私のように定年後の方もたくさんおられます。中には、波瀾万丈の人生を歩んでこられ、紆余曲折の末に警備業界に入ってこられる方もおられます。そういう方々が、警備という仕事を得て、張り合いのある毎日を過ごされるお手伝いができるのがいまの仕事の良さです。例えば、ある男性はこのままでは本当にダメというような生活をされていたのですが、一念発起して警備業に就かれました。研修もしっかり受講され、今ではきちんと仕事をこなしておられます。そういう姿を拝見すると、この仕事をしてよかったなと思います。